第69回 国民体育大会 長崎大会 参加報告

 長崎がんばらんば国体、10月17日~19日の日程で長崎空港のある長崎県大村市、大村高校リード競技場、大村公園ボルダリング特設会場にて開催、ストレート種別の成年男子、関東ブロック大会を突破した成年女子、少年女子の3種別で参加しました。

・成年男子 
  選手 若尾龍隆(わかおたつとき/ナッツカンパニー)
     田中慎一(たなかしんいち/千葉商科大学3年)
  監督 内藤聡(ないとうさとし/クライミングジムアクティバ)

・成年女子
  選手 縄重未来(なわしげみく/サンダンスアウトドアーズ)
     安田あとり(やすだあとり/神奈川大学2年)
  監督 畑野克実(はたのかつみ/畑野工芸)

・少年女子
  選手 渡部咲樹(わたべさき/笛吹高校3年)
     戸田萌希(とだほまれ/笛川中学校3年)
  監督 安田賢(やすだけん/クライミングジムピラニア)

 非常にハイレベルな成年男子、トップクライマー達が予想に反して苦戦を強いられる中、若尾、田中ともに得意のボルダリング競技ではあるが同様に苦戦、奮闘かなわず予選38位、リード予選34位と準決、決勝に進むことが出来ませんでした。

 練習量を増やせずにいた成年女子でしたが、そこは経験値でカバー、リード予選8位・決勝8位、ボルダリング予選3位・決勝7位と持てる実力を全て出し切っての健闘でした。

 少年女子種別最後で本番に強い渡部、デビューで緊張気味の戸田、強豪ぞろいの他県に混じりリード予選6位・決勝7位、ボルダリング予選4位・決勝4位と表彰台に迫る上々の結果となりました。

 女子種別の総合で決定される皇后杯は7位入賞、40点を獲得しました。

以下、監督のコメントです。

(競技委員選手強化コーチ 安田賢)

成年男子

各自不本意な部分が多分にあったでしょうが、同世代のクライマーに多くの刺激をもらってまた一回り二回り成長してくれることと思いますし、期待もしています。

監督としてはもう少しオブザベ中アドバイスできたかなとか、リード競技中の指示を早めにできたかなとか反省もあります。が、選手にストレスなく競技に入ってもらうという点では良い仕事ができたと思っています。

(成年男子監督 内藤聡)


成年女子

1日目のボルダリング予選のウォームアップエリアではリラックスして過ごし、試合に迎えたと思います。

試合内容としては、安田はエースのプレッシャーからか、やや動きが硬く、ファーストトライで体が上手く動かず、肩を痛めてしまいました。

それでも2完登するあたりは流石だと思います。

縄重の調子がとても良く3完3アテンプトと、個人成績でも4位と大活躍でチーム3位の好成績で予選を突破しました。

 2日目のリード予選のウォームアップエリアでは前日の疲労や故障箇所の修復に費やしていました。

安田は前日の痛みが残っていたものの、力強い登りで個人8位タイまで登り詰めました。

縄重は苦手なリードでやや緊張していたようですが、ボルダリングの突破力を生かして高度を上げてチーム8位で予選を突破しました。

 ボルダリング決勝は疲労と痛みで思うような登りが出来ず、悔しい7位に終わってしまいました。

 3日目のリード決勝は、満身創痍の中、精一杯の登りをしましたが、順位を上げることが出来ずに8位で終わりました。

(成年女子監督 畑野克実)

 

少年女子

 ボルダリング予選、バランシーな1課題目、2課題目を二人とも一撃、幸先のいいスタートを切った。3人しか完登のなかった3課題目、足先行のムーブが出しづらくボーナス2まで1アテンプトで来るもふたりとも完登ならず、体幹を張る4課題目へ。渡部には遠いリーチのところ、戸田が2撃、戸田3完登・4/ボーナス2・4/ボーナス1 ・個人4位。渡部2完登・3/ボーナス2・3/ボーナス1 ・個人7位。チーム順位4位で決勝へ。

 リード予選、今回の国体からアテンプト中に監督が指示をとばしても良いルールとなった。5.12中程のグレード、序盤ガバ続きで登らせ、中盤で少しずつホールドを甘く(悪く)して終盤へ抜ける部分に核心一つ。核心越えて持久力を試す、決勝へ行くチームをふるいにかける好課題。渡部は終盤へ抜ける部分の核心でまたも足先行ムーブでやられ、フォール。しかし、一手先に手を出したムーブが有効、30+、19位タイ。戸田は同じ終盤へ抜ける部分の核心を足ブラで耐えて終盤へ、ギリギリ感は否めないが完登、1位タイ。チーム順位6位で決勝へ。

 リード決勝、5.13a、バランシーな序盤、大きい動きのデッドを越えて中盤手数を進めルーフへ。ホールディングと持久力を問われる課題。渡部は中盤へ行くデッドで早くもフォール、保持していたなら中盤をこなして少なくともルーフに差し掛かる辺りまでは登れたと予想出来たので残念、16位。戸田は予選より緊張しておりあまり余裕が感じられない。淡々とルーフに差し掛かるも手順を間違え困惑しているうちにパンプ、フォールとなった。5、6手先までは進めたはずなのでもったいないトライだった。7位。チーム順位7位と一つ落としてリード競技終了。

 ボルダリング決勝、バランシーな1課題目、足先行、狭いマントルの2課題。1課題目の1撃を狙うも戸田2撃、渡部3撃でメンタルダメージ、セッターの思惑通りか。のまれたまま2課題目へ突入、ボーナス1のマントルを返しきれず、かなり力を使い切った。ランジからのバランシーな3課題目、4アテンプト目で留めてきた戸田はそのまま完登、戸田のランジを見た渡部は2アテンプト目でランジを留めボーナス2へ。しかし、終了点の一つ前のホールドに届かない。デッドで行くもバランシーなパートのためあえなくフォール。遠いホールド、体幹、いろんな要素の盛り込まれた4課題目、3課題こなした二人にあまり余裕はない。渡部はボーナス1からカンテ保持、次のホールドへ届かず敗退。戸田は1アテンプト目でボーナス2まで到達するが、終了点前のアンダースローパーがいまいち保持しきれず、その後も高度が下がり時間切れ。戸田4位、渡部11位、チーム順位5位と一つ落としてボルダリング競技終了。

 監督としてもっと指示が出せた部分もあり。終わってから課題分析したら解決策がでたりして読み切れなかったところも。少女種別に限ったことではないが、競技へ向かう選手のメンタルをどう整えるかがキーポイントになった。実力があり、登れなかった課題に対して悔やむことの多い戸田と、100%出し切るためにマイペースを貫く渡部をまとめるのはなかなか面白い作業だった。二人がそれぞれに出し切れたトライと消化不良のトライを持っているが、監督としてはお互いに補いながら仕事をこなしてくれたと感謝しています。

(少年女子監督 安田賢)