平成24年度山岳レスキュー講習会に参加して(縦走レスキュー)

8月31日から9月2日まで、大町の長野県山岳総合センターにおいて今年度の日山協無雪期レスキュー講習会が開催された。山梨からも講師として近藤孝久・縦走コースに上原昭則・セルフレスキュー①に中山加奈・同②に中澤弘雄が参加し、各自充実した勉強ができました。上原より縦走コースの報告を簡単にしておきます。

このコースの受講者15人。講師5人で、1班5人に一人の指導者と結構充実したスタッフであった。机上講習としては、概論・救急・運動生理等。基本の復讐ではあるが、エネルギ―の消費量・炭水化物・体内脂肪の消費などを数値として表し、理解しやすかった。ちなみに日帰り縦走8時間ほどで消費エネルギー5.000kcal、炭水化物の補給1.670~2.500kcal、体内脂肪消費3.300~2.500kcalとのこと。登山はいかに優れた運動であるかが分かる。

屋外では、セルフレスキューの実地指導があった。最低限の装備としては、補助ロープ6~8㎜×10~20m・スリング長短各3本・カラビナ3枚・ツェルトを使用した講習となった。悪場でのロープ固定及びオートブロックまたはクレイムハイストノットを使った確保の練習スリングの簡易ハーネスの使い方、などを教わる。ハーネスなどは、上半身用だけではなく、2本使った全身用があり、搬送などにはかなり有効である。続いてツェルト・雨具・簡易ハーネス等を使った搬送方の実技を行う。搬送も基本としては、事故地点から安全地帯まで、あるいはヘリの到着地点までを考えたものである。また重要な点として、事故者の状況把握、事故内容等をメモして要領よく伝達することなどは、わかっていても実際にやってみると難しいものがある。

最後には、講師が遭難者になったシュミレーションを行う。リアルなけが人を演出して、応急処置・連絡・搬送等を体験するがなかなか面白いものがある。たまたま消防の救急救命士が参加しており、手際の良さを勉強することにもなった。

一般登山においては、知っていて無駄のない内容であったと思います。詳細は近いうちに、講習会を開いて希望者にお伝えする予定です。

クライミング・レスキューは後日中澤氏より報告があります。

 

指導委員会  上原 昭則