日本山岳協会山岳レスキュー講習会(縦走・ハイキングコース) 参加報告

日本山岳協会山岳レスキュー講習会

日 時 平成26年9月26日(金)〜28日(日)、2泊3日 
場 所 国立登山研修所(富山県立山) 
クラス:縦走・ハイキングコース
参加者:竹村 浩(岳人会)

 

講習内容:一日目

  1. 13:00~15:00セルフレスキュー概論(座学)・レスキューの心構え・装備、事前準備・遭難の傾向と対策・予防と運動生理・リスク管理等
  2. 15:00~17:00ツェルトを用いたビバークの練習(単独・複数・林内などを想定して)
  3. 19:00~21:00補助ロープ・スリング・カラビナを用いた基本の練習(簡易ハーネス、フリクションノット等)

講習内容:二日目

  1. 9:00~10:00③の復習とビレイシステム練習(フリクションノットとムンターヒッチ、クローブヒッチ)
  2. 10:00~12:00ビレイ、フリクションノットを用いての登り、トラバース、下降の実施練習
  3. 13:00~17:00怪我の応急手当について(遭難の現況、手当ての順序、止血コントロール、怪我の評価と観察、テーピング、包帯、三角巾などを用いての応急手当の練習)
  4. 19:00~21:00搬送法の練習(スリング、雨具、ザック、ツェルトなどを用いた練習と交代練習、ヒューマンチェーンの練習)

講習内容:三日目

  1. 2グループに別れてのシミュレーションレスキュー

感想

これまで登山を楽しむ上で必要な知識、技術はあくまで自分が楽しむ為だけのものでしたが、今回講習を受講させていただいて、自分が怪我をしたときだけでなく、仲間が怪我をしたとき、通りかかった登山者が怪我をしたときと、自分以外の誰かの為の心構えと知識、技術の基礎を学ぶことができました。特に講師の先生方が現場での経験に富んだ方々でしたので、実際に現場ではどうすればリスク回避できるか、傷病者はどういう言動をするか、自分たちだけでなく、いかに傷病者に負担をかけずレスキューするかなど、現場本位の目線で学ばせていただけたことが大きかったです。

他の講習コースのように専門的な技術を多用する内容とは異なり、レスキューの基本中の基本だったため、機会があれば人に伝えることが肝要であり、また私自身も常に反復練習が必要と感じました。

装備に補助ロープやセルフ用具、ファーストエイドの携行の必要性は強く感じ実施します。

そして何よりも普段、どうしても登攀技術の方へ目が向きがちでありましたが、自分のためだけの山ではなく、誰かの力になれる山。そんな意識を持てたことが今回の講習での一番の収穫かも知れません。ますます山が好きになりました。今回学んだことを仕事やプライベートで実践するような機会が誰にも起こらないことを願うばかりですが、もしもの時は微力ながらも力になれれば幸いです。

岳人会・竹村 浩