初級沢登り講習会2015 実施報告

今年度の沢登り教室は、比較的天候に恵まれたこともあり、事業の中止もなく笛吹川東沢釜ノ沢遡行に向け、小瀬クライミング場での机上、三ツ峠でのロープワーク、足慣らしの大鹿川ズミ沢と講習を重ねることができた。

7月18日の三ツ峠では、台風11号の通過後という事も有り、講習を予定していた壁はまるで滝の状態だった。おまけに、強風のため参加者のザックが屏風岩の下まで飛ばされるというハプニングもあったが、フリクションノットによる登行やムンターによる下降、最後は全員一般ルートを登り終了した。

8月2日のズミ沢は、好天に恵まれたが前日までの雨の影響か水量も多く、入渓後しばらくして大滝での滑落事故に遭遇し、全員で遭難者の救助・搬出活動を行ったため、遡行を中止し下山することになった。

遭難者の引き上げから蘇生、ヘリによる搬出と、まさに遭難現場に居合わせ救助活動を行うなど、参加者は沢登りに伴う危険性をあらためて認識されたことと思います。

8月22〜23日の釜ノ沢は、8時に西沢の市営駐車場に集合し出発した。東沢には相前後して6パーティーが入渓しており、その内1パーティーはホラの貝沢までの遡行でした。山の神手前の高巻きでは、昨年設置したロープを使いトラバースを行ったが、初心者は高巻きせず沢を遡行した方が無難だと思う。

釜ノ沢に入ってからは、魚止めの滝から千丈のナメと沢歩きの醍醐味を満喫していただいたと思います。両門の滝を過ぎ、木の根を掴む登りを繰り返した滝上の平坦地で幕営とした。ここは、沢山のパーティーが幕営するため焚き火用の枯れ木の収集が大変だった。個人的には、2ℓのビール缶を担いできた参加者のKさんに大感謝です。

翌日は、早朝から雨がしとしと降り出し出発時には本降りとなり、雨具の内・外から濡れるいやな遡行となった。みんなで登ろうと思った最後のスラブの滝も左から巻き、雨の中ひたすら傾斜のきついスラブを登った。荷物も重く、ゆっくり歩いたつもりだったが、もう少し遅くても良かったのかと自問しています。途中、ガイドらしきパーティーが2人をロープで確保しながら登っていたが、ズミ沢の件を思うとそれが正解かとも思えた。

詰めの最後は、甲武信小屋の水場になる。ここで登攀道具を外し、全員で甲武信岳に登り下山した。

今回、時間の関係上パーティーを先導したが、今後は参加者自らがルートを選択し登る目を養ってもらいたいと思う。また、今回ロープは出さなかったがスリング4本をつなげたお助け紐を何度も使用した。ザックに括り付けられる、φ7mm10m位のロープがあると便利だと思った。

小宮山

8/2 大鹿川ズミ沢


8/22 両門の滝


8/23 甲武信岳頂上